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ソビアBLOG

厚生年金保険料が高いと思ったことはありませんか?

  • icon2018.01.26
  • icon 労働/社会保険
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厚生年金手帳

厚生年金保険料の見合う価値はあるのか?

2004年10月に13.93%だった保険料率が毎年段階的に上昇していましたが、2017年9月の18.30%で一旦上昇は停止されました。保険料という名前ではあっても実質の増税であることを考えると、標準報酬月額が30万円の人だと……

2004年 → 41,790円(事業主、従業員それぞれ20,895円負担)
2017年 → 54,900円(事業主、従業員それぞれ27,450円負担)
差   → 13,110円(6,555円)

といった風に負担が増えています。

従業員にとっては将来自身が受け取ることができる年金が増えることに繋がる仕組みなので、増額メリットはそれなりにあります。ただ、事業主からすれば単純にコスト負担が増えることになるので、メリットを感じ辛いところではあります。

そこで今回は、厚生年金保険にはどのようなメリットがあり、また企業経営に活かしていくのかについてまとめてみたいと思います。

厚生年金制度の必要性

公的年金制度のうち、主として民間企業で働く会社員を対象としている年金制度を厚生年金保険といいます。厚生年金保険の保険者(保険料の徴収及び給付などを行う運営主体)は国(政府)です。例外もありますが、民間企業で働かない個人事業主、学生といった方は国民年金保険制度に加入することになります。

少しややこしい仕組みなのですが、下図のように厚生年金保険に入っている場合は、自動的に国民年金に加入していることになります。厚生年金保険が2階部分といった風に言われるのはそういった理由からです。

厚生年金の図

出典:厚生労働省ホームページ

一般的に、健康保険と厚生年金保険はセットで取り扱われることが多いのですが、健康保険は、病気や怪我、出産など、労働能力を一時的に喪失した労働者に対する【短期的な給付を行う】のに対して、厚生年金保険は、「老齢」「死亡」「障害」などによって労働能力が【長期的に喪失した】者に対して給付を行います。

一般的には65歳以上なるともらえるという「老齢」の部分だけに意識がいきますが、本人が死亡した際の「遺族年金」、障害をおって労働力が低下した場合の「障害年金」が支給されるところが今回の取り組みにおいてはポイントです。

通常多くの方は民間の生活保障に関する保険に加入しますが、厚生年金保険には老齢以外の理由で就労が不能になった際にでも、支給されるため、民間の保険と同様、もしくはそれ以上の価値を持つ存在です。安心して仕事に従事してもらうためには必要な制度であるものの、正しい認識を持っていないことによる弊害が起きています。

各給付の内容

老齢厚生年金

厚生年金保険の被保険者だった人が、国民年金の老齢基礎年金の受給権を得たときに支給されます。つまり、国民年金がもらえる方であれば、厚生年金の被保険者期間が1ヶ月以上あれば、厚生年金の分がもらえます。逆に、厚生年金の被保険者期間がある程度長かったとしても、国民年金の受給資格を得られない(15年に満たない)場合には、国民年金はもちろん、厚生年金ももらえないことになります。

厚生年金の支給額は、標準報酬月額(もらっていた給料)によって大きく変わります。詳しい計算方法については、日本年金機構のホームページを参照ください。

障害厚生年金

被保険者期間中に初診日のある傷病で障害基礎年金に該当する障害が生じたときに支給されます。(障害基礎年金の支給要件を満たしている者であることが要件です。)なお、初診日から5年以内に病気やケガが治り、障害厚生年金を受けるよりも軽い障害が残ったときには、障害手当金(一時金)が支給されます。

遺族厚生年金

遺族年金は、現役で働いている従業員の方や引退後の年金受給者の方が亡くなられた場合に、その家族の方に給付される年金です。受給するために一定の要件があって、現役で働いている従業員の場合は……
①被保険者期間中に死亡したとき
②被保険者期間中に初診日のある傷病が元で初診日から5年以内に死亡したとき
③1、2級の障害年金を受けられる人または老齢厚生年金の資格期間を満たした人が死亡したとき

といったケースが一般的です。

従業員に価値を感じてもらうために

ここまで簡単に厚生年金保険に関しての説明をしてきましたが、実際にどのように価値を感じてもらうかについて最後にお伝えさせて頂きます。

一般的な方法としては政府が発行する書籍を配布、もしくは説明会を実施する形があります。

参考:知っておきたい年金のはなし
参考:太郎と花子の人生行路(ライフステージと年金)

単に厚生年金の仕組みをしるだけではなく、自身の具体的な生活に置き換えることでより価値を感じやすくなります。

そういったことに対して積極的な会社は、FPを講師に招いてライフプランを立てるといったことも実施されています。そこまでが大げさであれば……

参考:ライフプラン診断

といったサービスもあるのでこういったものを活用するのも良いです。

日本国内で事業を実施する限りは避けては通れない厚生年金保険。どちらにしても支払うのであればそのことに価値を感じてもらい、また、活用してもらえるような体制構築をお勧めさせて頂きます。

この記事を書いた人
株式会社ソビア/ソビア社会保険労務士事務所

株式会社ソビア/ソビア社会保険労務士事務所  人事コンサルティングと労務コンサルティングの両軸を強みとした顧問サービスを展開。 「お客様の夢中をうみだす」ことを理念とし、数百社の顧問先とコンサルティング実施の実績を持つ。

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