画像

ソビアBLOG

解雇とは?

  • icon2018.01.05
  • icon 組織管理
  • icon株式会社ソビア/ソビア社会保険労務士事務所

Depressed-asian-businessman

そもそも解雇とは?

よく巷で、「リストラされた」「会社をクビになった」と耳にしたことはあると思います。また、懲戒解雇といった言葉も聞かれたことがあるかもしれません。どちらにしても良いイメージはありません。

解雇という言葉は、人事・労務に関する言葉の中でも一人歩きしているもののひとつです。
法的な観点においてそもそも解雇とは何を指すのか、また解雇に似たような言葉は何があるのか、それが会社経営においてどのような影響があるのかについて整理していきますね。

会社と従業員が結ぶ契約のことを「雇用契約」と言います。雇用契約は原則として、締結、変更、解除のすべてにおいて【両者の合意】が必要です。通常に従業員の方が会社を辞める際には、①辞表を出す、②会社が受け入れる、といったプロセスを得て両者の合意のもとに解消をされます。
では、会社側が辞めて欲しい、でも従業員としては辞めたくない、となるとどうなるでしょうか?

そうです。両者の合意が得られないので、原則として解除することができません。では、雇用契約を解除できないかと言えばそうではなく、原則ではなく例外的な措置として、会社側の一方的な意思で雇用契約を解除することができます。

その例外的な行為のことを「解雇」といいます。例外的な行為なので、その妥当性が問われることがあります。簡単に言えば、一方的に辞めさせるほどのことがあったのか、契約解除するほどの理由があったのか、正当だったのか、不当だったのかを検討することです。

これが俗に言う、「不当解雇」という言葉に繋がります。

実務上はこの解雇の正当性が認められることは非常に稀で、様々な制限があります。
それらの制限やその対処法、現実的な取り組み等を以下に記載させて頂きます。

解雇の大原則

まず、解雇は、客観的に合理的理由を欠き、社会通念上相当であると認められない場合には、その権利を濫用したものとして無効とする。(労働契約法第16条)と法律に定めがあります。

具体的に説明をすると、
客観的に合理的理由があり社会通念上相当とは、「第三者からでも解雇の原因となる内容を確認することができ、労働契約を終了させなければならないほどの能力不足,勤務態度不良,業務命令違反等の程度が甚だしく,業務の遂行や企業秩序の維持に重大な支障が生じていること」が必要となります。

つまり、能力不足で解雇を実行しようとする場合には、客観的に説明できるように文書やビデオなどで能力不足を立証し、その能力不足を解決すべく何度も指導注意や教育をし、配置転換をしてもなお能力不足が解決できない状態になって初めて、解雇が可能となります。

懲戒による解雇

上記のようなケースで、能力不足を理由とするときには就業規則という会社のルールブックが適切に成立し、周知されている必要があります。
なぜ、わざわざ就業規則が必要なのかと言うと、懲戒解雇は会社が行う制裁の一種だからです。制裁は労働基準法に定められた「相対的記載事項」に該当しますので、就業規則に定めなければなりません。

就業規則がなければ解雇全般ができないことはないですが、懲戒解雇という制裁処分の形式は取れません。よって、就業規則がない状態で解雇を実行するには、労働契約を終了させなければならないほどの具体事情がより求められます。

解雇の禁止期間

また、解雇に相当する場合でも原則解雇ができない期間があります。
それは、「業務上負傷し、または疾病にかかり療養のために休業する期間およびその後30日間」ならびに「産前産後休業期間およびその後30日間」(労働基準法第19条)の期間です。

上記の期間は、解雇をする条件が整っていても原則解雇ができません。解雇を適切に実行するには、使用者が第81条の規定によって打切補償を支払う必要があります。また、天災事変などやむを得ない事由により事業の継続ができなくなった場合は、その事由について労働基準監督署長の認定を受けることにより解雇が実行できます。

解雇の手続き

Goal-Solution-Concept-on-Blackboard-Background

次に、解雇が適切にできるだけの事由があっても、必要な手続きがあります。
(※よくある誤解ですが、解雇の手続きをしたからといって、解雇が有効に成立するわけではありません。)

使用者が労働者を解雇する日の30日前までに解雇日を特定して通知する必要があります。また、解雇日までの日数が30日に満たない場合や解雇予告をしない場合には、その不足する日数分の「解雇予告手当」を支払わなければなりません(労働基準法第20条)。例えば、解雇予定日の10日前に解雇予告をした場合には、平均賃金の20日分以上の解雇予告手当の支払が必要であるわけです。

しかし、解雇予告や解雇予告手当が不要なケースもあります。
天災事変その他やむを得ない理由があって事業を継続できなくなったとき、従業員のあまりにもひどい不都合な言動によって解雇するときは、予告解雇や解雇予告手当の支払はしなくても構いません。ただし、このときは労働基準監督署の「解雇予告除外認定」を受けないといけません。

さらに、労働者の雇用関係によっては解雇予告や解雇予告手当が不要なケースもあります。
日々雇い入れられる者、2ヶ月以内の期間を定め使用される者、季節業務に4ヶ月以内の期間を定め使用される者、使用期間中の者は、労働基準監督署の「解雇予告除外認定」がなくとも即時解雇としても手続き上は問題ありません。
(※繰り返しになりますが、解雇の手続きをしたからといって、解雇が有効に成立するわけではありません。よくある噂で試用期間中であるから会社は自由に解雇ができると耳にしますが、これは誤りです。試用期間中といえども、雇用開始から14日を超えると、解雇予告の手続きやや解雇予告手当の支払いは必要となります。また、前提としても前述の解雇するに相当の理由が必要です。)

解雇に関するまとめ

Creating-textual-or-written-information

  • 解雇とは、使用者による一方的な労働契約の解約
  • 解雇をするには様々な制限がある。(客観的に合理的理由及び、社会通念上相当であると認められなければならない。懲戒解雇をするには、就業規則が必要。)
  • 解雇できない期間がある。
  • 解雇するにも、即時の解雇は原則できない。
  • 解雇するには、30日以上前の予告か30日に満たない期間で解雇を実行するには30日に足らない期間分の解雇予告手当が必要。
  • 解雇予告や解雇予告手当を支払ったからといって、解雇で適正に成立わけではない。

が解雇に関するまとめです。

弊所からの提案ですが、まず解雇者が発生しないように採用時にしっかりと見極めていただきます。
その後に採用となりましたら、いきなり「正社員」として雇用するのではなく「契約社員」として雇用期間の定めがありで雇用をしていただきたいです。雇用期間に定めがあると、契約期間の満了時に更新をしないという雇止めという手法が取れます。

雇用期間の定めや雇止めについては、後日に詳細説明をいたします。
人を採用する際や解雇に関するご相談があれば、ソビア社会保険労務士事務所までお問い合わせください。

この記事を書いた人
株式会社ソビア/ソビア社会保険労務士事務所

株式会社ソビア/ソビア社会保険労務士事務所  人事コンサルティングと労務コンサルティングの両軸を強みとした顧問サービスを展開。 「お客様の夢中をうみだす」ことを理念とし、数百社の顧問先とコンサルティング実施の実績を持つ。

オススメの記事